近年、需要が増えている機械式駐車装置の平面化

平面化とは安全性向上や維持費削減が目的として、エレベーター式や多段式を撤去し、地面と同じ高さの平置き駐車場へ改修する工事です。
再利用も視野に入れ、ご要望に応じたご提案をいたします。

1.鋼製平面化(鋼製床工法)

平面化には、いくつか工法がありますが弊社ではお客様のご要望に応じて「鋼製平面化(鋼製床工法)」を採用することが多いです。

工事内容

鋼製平面化工法とは、機械式駐車装置を撤去した後にできる地下ピットを埋め戻さず、その空間を利用して鉄骨と鋼板で新しい床を設け、平らな駐車スペースや多目的スペースに転用する方法です。

仕組み

1.解体・撤去:既存の機械式駐車装置設備を取り除きます。
2.地下ピットの利用:埋め戻さず、そのまま空間を活用します。
3.鉄骨組立て:軽量鉄骨の柱・梁で骨組みをつくります。
4.床板設置:鋼製床板を載せ、平らな床を完成させて完了です。

特徴・メリット

短工期:コンクリート打設や養生が不要で、工期を短縮できます。
地盤・建物への負担が少ない:軽量鋼材を使うため、沈下のリスクが小さく、軟弱地盤や屋内でも施工が可能です。
再設置が容易:解体しやすく、将来再び機械式駐車装置を設置する場合も柔軟に対応できます。
低騒音施工:砕石投入や転圧が不要で、騒音・振動を抑えられる効果があります。
多用途展開:駐車場だけでなく、自転車置場、バイク置場、物置などにも活用できます。

デメリット・注意点

初期費用:鋼材や専門技術のため、埋め戻し工法より高額になる場合もあります。
維持管理:防錆処理や再塗装などメンテナンス、地下ピットの排水設備の管理は引き続き行います。
耐荷重制限:一般的に2.5トン程度(オプションで3トン)まで対応のため、大型車両は制限があります。

他工法との比較

鋼製平面化のほかに、地下ピットを土砂や砕石で埋める「埋め戻し工法」もありますが、弊社では利便性と将来の柔軟性に優れる鋼製平面化工法を推奨しています。

鋼製平面化(鋼製床工法)例

解体前
①機械式駐車装置解体前
プラスチック撤去
②プラスチック撤去
ゲート撤去
③ゲート撤去

パレット撤去
④パレット撤去開始
パレット撤去中
⑤パレット撤去中
パレット撤去
⑥パレット撤去

廃材積み込み中
⑦廃材積み込み中
柱撤去
⑧柱撤去
ピット清掃
⑨ピット清掃

平面化鋼材搬入
⑩平面化鋼材搬入
大梁設置
⑪大梁設置
小梁設置
⑫小梁設置

床材敷き
⑬床材敷き
駐車ライン引き
⑭駐車ライン引き
鋼製平面化工事完了
⑮鋼製平面化工事完了

2.砕石埋戻し平面化(アスファルトorコンクリート舗装)

平面化における最も一般的でオーソドックスな手法が、地下ピットを土砂や砕石で完全に充填する「砕石埋戻し工法」です。
将来的に機械式駐車装置に戻す予定がなく、恒久的に強固な地面を確保したい場合に選ばれます。

工事内容

砕石埋戻し工法とは、機械式駐車装置を撤去した後の地下ピットに、砕石(砕いた石)を投入・転圧して埋め固め、その表面をアスファルトやコンクリートで舗装して平らな駐車場にする方法です。

仕組み

1.解体・撤去:既存の機械式駐車装置設備を取り除きます。
2.地下ピットの利用:埋め戻さず、そのまま空間を活用します。
3.鉄骨組立て:軽量鉄骨の柱・梁で骨組みをつくります。
4.床板設置:鋼製床板を載せ、平らな床を完成させて完了です。

特徴・メリット

圧倒的な耐久性と耐荷重:完全に埋め戻すため、鋼製床のような重量制限を気にする必要がなく、大型車や高重量の車両も安心して駐車できます。
メンテナンスフリー:鋼製床のように防錆塗装やピット排水ポンプの維持管理が不要になり、長期的な管理コストを抑えられます。
将来の不安解消:地下空間(空洞)がなくなるため、将来的なピット内への浸水や、それに伴う衛生面・腐食のトラブルを根絶できます。
資産価値の安定:一般的な平置き駐車場と同様の造りとなるため、管理が容易で汎用性が高いのが特徴です。

デメリット・注意点

工期が長め:砕石の搬入・転圧作業や、コンクリートを採用した場合は養生期間(固まるまでの時間)が必要となり、鋼製平面化より日数がかかります。
再設置が困難:一度埋め戻すと、再び機械式駐車装置を設置したい場合に膨大な掘削費用がかかるため、将来の計画を慎重に検討する必要があります。
建物・地盤への重量負荷:大量の砕石を使用するため、建物直下のピットや軟弱地盤の場合、沈下や構造体への影響を考慮する必要があります。
施工時の騒音・振動:重機の出入りや転圧作業の際、鋼製工法に比べて大きな騒音や振動が発生しやすくなります。

他工法との比較

鋼製平面化が「空間の有効活用と柔軟性」を重視するのに対し、砕石埋戻しは「堅牢さとその後の維持管理の手間(コスト)の最小化」を重視するお客様に適しています。

砕石埋戻し平面化例(砕石埋め戻し平面化)

機械式駐車装置解体前
①機械式駐車装置解体前
パレット解体
②パレット解体
パレット吊り上げ
③パレット吊り上げ

パレット積込
④パレット積込
解体中
⑤解体中
各部材吊り上げ
⑥各部材吊り上げ

機械式駐車装置解体後
⑦機械式駐車装置解体後
砕石埋め戻し、転圧
⑧砕石埋め戻し、転圧
コンクリート打設前_配筋
⑨コンクリート打設前_配筋

コンクリート打設
⑩コンクリート打設
コンクリート打設
⑪コンクリート打設
コンクリート仕上げ(機械ゴテ、金ゴテ)
⑫コンクリート仕上げ(機械ゴテ、金ゴテ)

目地施工(コンクリートカッター)
⑬目地施工(コンクリートカッター)
区画ライン塗装
⑭区画ライン塗装
埋め戻し平面化工事完了
⑮埋め戻し平面化工事完了

3.リニューアル(機械式駐車装置の入れ替え・更新)

平面化(撤去)ではなく、既存の設備を最新の機械式駐車装置へと一新する方法です。
駐車可能台数を維持しつつ、老朽化による故障リスクや維持管理コストの増大を解消したい場合に採用されます。

工事内容

リニューアル工法とは、耐用年数(一般的に20〜25年)を迎えた、あるいは故障が頻発する旧式の機械式駐車装置を解体・撤去し、同じ地下ピットを活用して最新のパレットや駆動系システムを組み込む方法です。

仕組み

解体・撤去:老朽化した既存の鉄骨フレーム、パレット、チェーン、モーター等をすべて解体し、搬出します。
ピット補修・防水:装置がない状態で地下ピット内を点検し、コンクリートの補修や防水塗装、排水ポンプの交換などを行います。
新規据付:最新基準の安全装置を備えた新しい鉄骨フレームやパレットを組み立てます。
調整・試運転:センサー調整や動作確認、法定検査等を経て、リニューアル完了となります。

特徴・メリット

駐車台数の維持:平面化とは異なり、限られた敷地内で現在の駐車台数を減らすことなく、有効活用を継続できます。
安全性・静粛性の向上:最新のセンサー技術やインバーター制御により、事故防止機能が強化され、作動音も劇的に静かになります。
大型車(ハイルーフ車)対応への変更:リニューアル時にパレットの段数や高さを調整することで、ニーズの高いSUVやミニバンが駐車できるよう仕様変更が可能な場合があります。
維持費の削減:最新機種は省エネ性能が高く、また部品の供給が安定するため、突発的な高額修理のリスクを抑えられます。

デメリット・注意点

継続的な維持管理費:平面化とは違い、完了後も月々のメンテナンス契約料や法定点検費用、将来の部品交換費用が発生し続けます。
高い初期投資:撤去・処分費用に加え、新規設備の購入・据付費用がかかるため、平面化に比べて初期コストは大きくなる傾向があります。
利用者の負担:工事期間中は外部駐車場の確保が必要になるほか、リニューアル後も毎日の入出庫操作の手間は変わりません。

他工法との比較

「鋼製平面化」や「埋戻し」が管理負担の解消を優先するのに対し、リニューアルは「利便性と収益性(賃料収入など)」を優先し、都市部など駐車場需要が高い地域において最も付加価値の高い選択肢となります。

リニューアル(入れ替え・更新)例

①:機械式駐車装置解体前
①機械式駐車装置解体前
②:ラフタークレーン設置
②ラフタークレーン設置
③:パレット溶断・切り離し
③パレット溶断・切り離し

④:パレット搬出(台車乗せ)
④パレット搬出(台車乗せ)
⑤:パレット吊り上げ
⑤パレット吊り上げ
⑥:パレット積込
⑥パレット積込

⑦:パレット撤去後(内部)
⑦パレット撤去後(内部)
⑧:その他部材取り外し
⑧その他部材取り外し
⑨:大梁取り外し
⑨大梁取り外し

⑩:解体状況(上空より)
⑩解体状況(上空より)
⑪:解体完了
⑪解体完了
⑫:レール設置(レベル測定)
⑫レール設置(レベル測定)

⑬:新規機械式駐車装置パレット搬入
⑬新規機械式駐車装置パレット搬入
⑭:新規柱建入れ
⑭新規柱建入れ
⑮:新規制御盤搬入
⑮新規制御盤搬入

⑯:その他部品類搬入
⑯その他部品類搬入
⑰:構造部材組立
⑰構造部材組立
⑱:ボルト締付トルク確認
⑱ボルト締付トルク確認

⑲:部品類取付
⑲部品類取付
⑳:部品類取付
⑳部品類取付
㉑:配線類取付
㉑:配線類取付

㉒:柱脚部モルタル施工
㉒柱脚部モルタル施工
㉓:実車稼働テスト
㉓実車稼働テスト
㉔:機械式駐車装置入替完了
㉔機械式駐車装置入替完了